有吉 山本先生はナチュラルマッスルの会員になられて5年目。お医者様からの信頼は大変励みになります。
山本 メソッドに確かな理論があり、医者として学んだことと照らし合わせ、筋肉への理解を深めています。
有吉 左の股関節の不調が原因での入会でしたね。
山本 ええ、仲の良い整形外科医に先天性の股関節脱臼を心配されていたのですが、そうだとしても手術をする以外の根本改善が思い当たらず、先送りしていました。
有吉 夜、寝ている時も痛みを感じていたそうで…。
山本 それがコンディショニングを行うことで早い段階で改善されまして。それ以来、筋肉を整えることや姿勢、歩き方を意識するようになりました。
有吉 筋肉の変化に触れると生活の意識が高まる方が多いです。足の冷えにも悩まされていたそうで…。
山本 ええ、物心ついた頃からです。防寒用の靴や靴下を履いても温かいと感じたことはありませんでした。ですから、冷え性は改善できないと思っていまして。
有吉 冷え性は体質だと諦めている方は多いですね。
山本 ところが、トレーナーに指分けをしていただいたら、その日からポカポカ。これには100万円払っても良いとさえ思いました(笑)。
有吉 筋肉が上手に使えていなかったのですね。
山本 脳梗塞で寝たきりになり、筋肉が萎縮して動けない状態を目の当たりにしてきましたが、それが私の身体でも部分的に起こっていたのだと驚きました。
有吉 一次予防の大切さが語られる時代において、私たち筋肉のプロフェッショナルの活躍が求められます。
山本 疾患にならない身体づくりはもちろんのこと、筋肉を整えることで解決できることがあるということがもっと認知されれば、生活者と病院の間に良いステップが生まれるはずです。
有吉 医療費の削減にとても重要なことだと思います。
山本 病院に行く前に、筋肉のプロが解決できることとできないことを診断できるツールがあると良いですね。ストレスチェックシートのようなイメージのものです。
有吉 なるほど。NCA参与のドクターと連携しトレーナーが解決できることとそうでないことを整理しています。NCAの認定資格者には共有してきました。
山本 一般の方々にも知られると、さらに良いですね。
有吉 現在、シニア向けの書籍を執筆予定ですが、そこでは触れていきたいです
山本 例えば、寝つきが悪いというのも1つの悩みです。
有吉 その場合は背骨まわりの筋肉の硬化などが予想されます。分子栄養学にも力を入れていますので、食も絡めた形で解決したいです。
山本 医師の残業時間の上限について発表がありましたが、我々の働き方改革にもつながるはずです(笑)。
有吉 体調の悪さは極論を言えば、9割のことは筋肉で解決できると感じています。しかし、筋肉=マッチョという概念が一般的で、鍛えることへの動機でしか語られない傾向にあります。
山本 「健康に良い食事」のように筋肉が語られるようになるのが理想ですね。栄養をバランス良く摂りましょうという言葉が今や常識となっているように、筋肉をバランス良く使いましょうという言葉が語られて欲しい。
有吉 フィットネスジムなどで運動を始め継続できる方は3%しかいないと言われています。ナチュラルマッスルは残りの97%の方々救うために生まれました。
山本 NHKの『筋肉体操』が話題になっていますが、筋肉への関心は広がっているのではないでしょうか。前号の対談で語れていた「なぜ年をとると筋肉痛が遅くやってくるのか」というお話など、誰もが「あるある」と思うけれど、実は理由を知らない事柄は、興味を引くはずです。
有吉 筋肉雑学ですね(笑)。欧米人(狩猟民族)と日本人(農耕民族)の身体の違いとか。
山本 上腕二頭筋が縮むと上腕三頭筋が伸びる話もそうですね。だから肘が曲がったままの人が多いのかと。不調解消の前に、雑学として誰もが面白いと感じる話で興味をそそりたいですね。
有吉 本当は学校教育の中で体育をサイエンスと重ねて語られると良いのですが。
山本 林修先生がテレビで人気ですが、有吉さんが筋肉先生になって、メディアに出ていただきたい(笑)。今はコンディショニングを伝えられていると思いますが、まずは筋肉=健康に紐づく面白話で良いと思います。
有吉 「筋肉は整えるもの」という概念をまずは定着させるわけですね。子供達には特に伝えていきたいです。
山本 食の健康が当たり前のように語られるように、筋肉を整えることが当たり前になる時代をつくることが望ましいですし、有吉さんにはそのパイオニア、トップランナーとして活躍していただきたいです。
有吉 ありがたいお言葉です。ご期待に添えるようにアイデアを練りたいと思います。その時は、ぜひお力添えお願いいたします。