有吉 相変わらず日本を所狭しと飛び回り、活躍されているとお聞きしております。
扇辰 いえいえ、相変わらず移動が身体に堪えますが(笑)。
有吉 入会のきっかけもまさに移動によるものでしたね。
扇辰 ええ、そうでした。元々ギックリ腰に悩まされていて。ヨーロッパ公演があり10日間で11回も飛行機に乗らなくてはならず、これはどうしたもんかと。それでお店に入会しました。
有吉 ギックリ腰は重症だったとお聞きしております。
扇辰 2回あったのですがどちらも2週間ぐらいは動けず、寝返りもうてないほど重症でした。
有吉 落語家さんは正座しながら猫背でお話しされます。担当トレーナーから、最初は股関節と膝関節の屈曲が強かったと聞きました。骨盤後傾による腰の負担が相当大きかったのでしょう。
扇辰 ところが今では全く心配なくなりましたからね。腰に違和感すらない。まるで魔法にかかったみたいで。
有吉 いえいえ科学です(笑)。
扇辰 それも、半年ぐらいですっかり改善してしまって。
有吉 結果が出たのは師匠の努力もあると思います。店舗ではセルコンの宿題が出ますが、ちゃんと取り組んでいただいたそうで。私達トレーナーは聞かなくても分かるのです。身体を見て触れれば、セルコンの履歴は伝わってきますから。
扇辰 毎日はできなくても、やるようにはしています。
扇辰 先生、コンディショニングをやった後は、ズボンがスッと履けましてね。片足になってもフラつかないし日常動作が楽になります。
有吉 日常動作が楽になると喜ばれる方は多いですね。
扇辰 それだけ日常動作が苦だって人が多いのですかね?
有吉 身体が整うと、その違いがよく分かるのですが…。
扇辰 以前は鍼治療に通っていましたが、今ではほぼコンディショニングだけですから。鍼ももちろん効くし気持ちがいいのですが。
有吉 根本改善を実感されているからだと思います。
扇辰 気軽に自分でできるのも大きいです。トレーナーが色々と教えてくれますから。ここは何々筋で腹圧を高めてこうするとか。説明を聞くとストンと腑に落ちる。筋肉の名前は全く覚えられませんがね(笑)。
有吉 私達は〝なぜならば〟を大切にしていますから。
扇辰 腰を良くしたいのに何で脚を上げる(ストレートレッグレイズ)の?って最初は不思議に思いますけど。
有吉 だからこそ信頼していただくために、改善に対する理論を語っています。
扇辰 目から鱗がブルルって落ちます(笑)。いや本当に。
有吉 ありがとうございます(笑)。アスリート同様、プロ意識の高い方は身体の限界以上に芸を磨いてしまいます。ただ、本当のプロの方は改善法もとことん追究されるのです。今の師匠のお身体が、まさに証明しています。
有吉 師匠との思い出を語る上で欠かせないのが3年前の祐天寺店でのイベントです。お店で落語を披露していただきました。
扇辰 お店のお客さんだけではなく、近隣の方や関係者も含め、多くの方々に来ていただきました。皆さんに喜んでいただき、とても嬉しかったことを覚えています。3年前ですか…。
有吉 プロの技術を駆使した語りから、場面の情景が次々と浮かび、落語が初めての方からも大絶賛でした。扇辰 笑うことでの身体への効果について、お店の方で資料を用意いただきましたね。有吉 笑いはがん細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞が活性化するなど、免疫力を高めると言われています。
扇辰 笑うのはね、単純に身体に良いですよ。笑わせるのは、身体に悪いですが(笑)。
有吉 なるほど(笑)!
扇辰 疲れるんですよ(笑)。でも、笑うのは呼吸のトレーニングしているのと同じです。
有吉 腹横筋が活発に動きますからね。また、落語には良き日本の文化があります。例えば、着物の帯がそうです。
扇辰 なるほど、確かにこれは腹圧を高めますな。
有吉 草履もそうです。足指で鼻緒を掴んで履くため、足の血行が良くなりますから。日本の服飾文化だけでもコンディショニングの観点から見過ごせません。
扇辰 笑いや日本文化に絡めて身体のことを語っていくのも楽しそうですね。
有吉 コンディショニングを知らず運動も苦手という方には、笑いを入口に身体のことに興味をもってもらえる可能性があります。
扇辰 落語も敷居が高いと思われている節がありますから。寄席以外で、コンディショニング好きの方に披露する機会ができれば、新しい広がりができますね。
有吉 共に人々を笑顔にするものですからね。掛け合わせることで、新しい笑顔が生まれそうです。コンディショニングラボの企画として考えたいと思います。
扇辰 いつでも呼んでくださいよ。落語もコンディショニングももっと気軽に楽しんでもらいたいものですね。