有吉 加藤選手との出会いのきっかけはお父様であり、元ヴィッセル神戸監督の寛さんからのご紹介でした。
加藤 FC今治でコンディショニングをされている方がいらっしゃると父から聞きまして。ちょうど、パーソナルトレーナーを探していたので、お願いしました。
有吉 その時、私のスケジュールが調整できなかったのでサッカー経験のあるトレーナーの清水に担当してもらうことになりました。
加藤 ナチュラルマッスルに通い始めてから約1年。
有吉 成果はいかがですか?
加藤 昨シーズンは自己最多の20ゴールを決めました。
有吉 素晴らしいですね!
加藤 ベテランになり、ケガも多くなって悩んでいる時期でした。店舗に通うようになって、なぜケガが起きやすいのかが分かりました。筋肉のアンバランス。こんなにも使えていない筋肉があったのかと驚きました。
有吉 競技生活が長いほど、使い過ぎの筋肉と使わない筋肉のギャップが広がってしまいますからね…。
加藤 自分の身体を知ることで改善するポイントが明確になり、練習でも変化を感じられるようになりました。
有吉 やはりトップアスリートですね。どの競技を見ても、優秀な選手は考えが柔軟で理解が早いと思います。
加藤 あとは試合で脚がつらなくなったことですね。土日のタフな二連戦でも最後までもつようになりました。
有吉 サッカーも同じでコンディショニングに取り組んでいる選手は脚がつらなくなります。それがモチベーションになるようです。
加藤 ミーティング中の30分間は、ずっと足首まわしをしています(笑)。
有吉 FC今治でも見られる光景です(笑)。当誌の編集チームが驚いていましたよ。事前打ち合わせの時に、加藤選手が席に座るや否や足首まわしを始めたって(笑)。
加藤 そうでしたか、今では無意識でやっていますから。
有吉 清水からはパフォーマンス面も良くなったと聞いています。切り返しや動き出しの速さが変わったと。ご自身ではいかですか?
加藤 確かに周りからキレが増したと言われています。そうした変化が最多ゴールにつながったのでしょう。
有吉 今は店舗で疲労抜きがメインとなっていますが、今後動きづくりのトレーニングをより取り入れていくと、もっと変わりますよ。
加藤 ナチュラルマッスルのトレーナーのフットサルチームに誘われた時、Con的ステップワークを経験しました。とても面白かったですよ。
有吉 FC今治でも好評です。岡田武史さんにも褒めていただきましたから。
加藤 有吉さんがFC今治で成果を出されたからこそ、父が知り、私につながったわけで、ありがたいと思っています。練習に100%、120%で取り組めていることは自信にもなります。
有吉 今、ジュニア選手も育成されていますよね?
加藤 はい。とても注力しています。やはり、体幹トレなど、ボールを蹴らない時間も大事だなと感じています。
有吉 特に成長期の子供はケガをしやすいですからね。
加藤 主に膝ですね。
有吉 FC今治でU15までのコンディショニングメソッドは確立できています。岡田さんからは、他でも紹介して良いとお墨付きが出ているので本を出す予定です。
加藤 この時期に大きなケガをして選手生命を絶たれる選手もいます。Jリーグを目指すなら絶対に必要です。
有吉 フットサルにも転用できるので協力したいです。
加藤 ケガ予防だけではなく身体の使い方が上手くなり技術も上がります。そして何より、100%の状態で練習に臨めることで、成長に大きな差が出るはずです。
有吉 練習という観点で言えば、FCバルセロナの練習法に今、注目しています。例えば、テニスボールを使ってボールコントロールを磨いたり、フットサルコートの半分のスペースでゲームを行ったり。興味深いです。
加藤 技術力と判断力が格段に上がります。ボールとスペースが大きくなれば、その分、誤魔化せます。ですから、海外ではフットサルへの理解がとても深いのです。フットサル出身のサッカー選手は数多くいます。
有吉 スペイン流は良いと、FC今治でも提案しました。
有吉 岡田さんは柔軟な方なので採用してくれました。
加藤 指導者の理解がとても重要です。コンディショニングも含めて、良いものを柔軟に吸収する姿勢が大切です。
有吉 加藤選手は柔軟ですし影響力もある。加藤メソッドを確立して欲しいです。
加藤 コンディショニングは自分でできて器具を使わない。小さな子供でも取り入れやすいと思います。
有吉 指導者だけではなく、親御さんからのご理解を得られると嬉しいですね。
加藤 それには勝つことですね。下の年代を育成し、かつての強いチームを取り戻すことが夢です。子供達のためにもがんばります。