有吉 妊娠・出産・育児、病院のリニューアルとお忙しい日々が続きましたね。
齋藤 フェイスコンディショニングの開発にもっと貢献したかったのですが…。
有吉 お渡ししたDVDを観て、ぜひご意見ください。今までも、形成外科医のお立場から、コンディショニングに多くの知識をもたらしていただきました。特にリンパについて精通されているので、メソッド開発の大きな参考になっています。
齋藤 それはお互い様ですよ。今まで形成外科に必要な筋肉の知識は学んできましたが、与志恵さんは解剖学などに精通され、機能や関連性は本当にお詳しい!筋肉の仕組みを学べています。リンパについても、今までは筋肉と切り離して考えていたのですが、その関連性への理解が深まりました。
有吉 膝窩リンパのメソッドに驚かれていましたね。
齋藤 リンパの話はアバウトで老廃物がどのようにリンパに入り込むのかを、皆、あまり掘り下げていません。大筋の原理は分かるものの筋肉のポンプ作用でリンパに流し込んでいるというお話で腑に落ちました。
有吉 「圧し動かす」ですね。
齋藤 他の方が、リンパマッサージなどで語られているより構造的に理解ができ、納得しました。そもそも出会いが衝撃的でしたから。
有吉 ネックカラーをされていましたね。頚椎のヘルニア。形成外科医の職業病です。
齋藤 手が震え出すと致命的なので悩んでいました。
有吉 その時、私の主人の紹介でお会いすることになって。
齋藤 もう衝撃でした。1回でスッと楽になったので。
有吉 それからお店に通っていただくようになりました。
齋藤 月2回。今は育児で1回ですが私のグッドコンディショニングの源泉です。さらに、初対面の衝撃が確信に変わったのは2011年のフルマラソン挑戦でした。
有吉 東京マラソンとヨロンマラソンの2本。しかも、東京からヨロンまでの間1週間しかありませんでした。かなり大胆な挑戦です(笑)。
齋藤 今思えば…。ただ、これ以上ないバックアップをしていただき、見事完走。脚が痛くなる度にサポートしてくださいましたね。
有吉 5㎞ごとにNCAのトレーナーを待機させて、痛くなったらヨガマットを敷いてその場でリセット。
齋藤 もう走れないと思っていると1~2分のコンタクトでまた走れるようになる。しかも完走後もケアしていただき、すっかり元気に。1週間後のヨロン完走にもつながりました。
齋藤 フルマラソンでの確信の後、東日本大震災が起こりました。私は医師仲間と共に現場に駆けつけましたが、思ったよりも医師の役割は少ないと感じました。それよりも、慣れない暮らしで腰が痛くなった方や、運動不足により血流が悪くなって悩んでいる方などが目につきました。これはコンディショニングの出番だと。そこで、2回目の時に、与志恵さんにも同行いただき、一緒に回診しました。
有吉 片麻痺とおっしゃっていた方が印象的でしたね。
齋藤 あの方は上手にリハビリができていなくて、身体を動かせば何とかできた状況でしたが、なかなか運動ができなくて。それが与志恵さんのゴッドハンド(笑)で歩けるようになりました。震災により、なかなか前向きな気持ちになれない状況の中、私達の回診で笑顔が広がったように思えました。
有吉 当時の方々とは未だにつながっています。
有吉 私の夢は、いつの日かコンディショニング外来を実現することです。NCAのトレーナーが院内でモニタリングをして、体操の処方を出す。薬の代替療法として活用するのです。これが実現すれば、NCAのPCT※資格をとった全国のトレーナーの活躍の場が増えることにもなります。
(※NCAの認定資格「プロフェッショナル・コンディショニング・トレーナー」の略)
齋藤 私はその雛形を当院で生み出したいと思います。今までは当院にその場所がありませんでしたが、改装によってできましたから。保険の問題など壁はありますが、実現したい夢です。今でも、患者様には私が伝えられる範囲でお伝えしています。例えば、魚の目の出来る人や足首の硬い方には足首まわしとか。あと、与志恵さんの『コアトレスタートブック』をオススメしています。そう言えば一度、私のイベントに講師として来ていただきましたね。
有吉 真理子先生が5年前から月1回開催している「ライブトーク」ですね。
齋藤 与志恵さんの回は満員御礼。反応も上々でした。
有吉 コラボといえば、また一緒に本を出したいですね。
齋藤 以前『老人よ、ジャージを捨てよう』を出しました。
有吉 各専門家が老化を主題に寄稿しました。真理子先生は皮膚やシワ、シミの話。私は姿勢の話でしたね。次は2人でリンパの本の決定版を出したいと思います。
齋藤 コンディショニング×医療の夢は尽きませんね。