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スペシャル対談

  • 長塚京子(テニスコーチ)
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夢を叶える合言葉「痛い身体で練習しない」

アトランタオリンピックに出場。96年フェドカップでは当時の世界女王から歴史的勝利を収め日本チームのベスト4に貢献。しかし、華々しい成績とは裏腹に24歳という若さで引退し、指導者の道を歩んだ長塚京子さん。「痛い身体で練習しない」。コンディショニングへの並々ならぬ想いに触れました。

形成外科の名医に薦められてコンディショニングを導入。

有吉 長塚先生と言えばフェドカップでの杉山愛さんとのダブルスが印象的ですね。当時世界ランク1位のグラフ選手と5位のフーバー選手のペアから大金星。前年にはヒンギス選手を破っている日本を代表するプレイヤーでした。

長塚 その時の経験を、今はコーチとして少しでも子供達に還元したいですね。

有吉 引退が早かったのも印象的です。20代前半で…

長塚 …24歳です。当時は身体がボロボロでした。少し休んで良くなったと思ったらまた痛めて。その繰り返しで諦めてしまいました。でも、早くに引退したからこその想いもあります。

有吉 「痛い身体で練習しない」。私達の合言葉です。今日の練習の第一声も長塚先生は「みんな、どこか痛いところない?」って子供達に聞いていましたよ。

長塚 もし私が選手時代にコンディショニングと出会っていたら、あと10年は続けられていたと思います。子供達にも身体のケアを大切にしてもらいたいのです。

有吉 6年前、私が初めて教えに来た時は生徒の半数がケガを抱えている状態で…。

長塚 チームドクターの德永先生からのご紹介でしたね。

有吉  德永先生は国内外のトップ選手をサポートしてきた形成外科の名医。「治療に頼らなくても良い身体に整えてください」と依頼されて。

長塚 有吉先生のおかげで子供達は劇的に変わりました。

たった半年で故障が激減。成長痛の悩みも解決。

長塚 最初はコンディショニングをやると、脚が長くなるとか、色が変わったとか、すぐに起こる変化に皆驚き騒いでいましたけど、半年ぐらいで故障者が激減して。

有吉  成長痛の子も多いですね。テニスは膝への負担が大きいのでオスグッドになりやすく、膝下をさするだけで痛がる子もいました。

長塚 Ken’sは他のテニスクラブに比べて練習量は決して多くないのですが…。

有吉 それだけ負担の大きな競技です。ラケット自体も重い中、強くて速い球を受けないといけません。肩も触ると分かりますが、炎症を起こしています。そこでパーソナルを始めました。

「時間がない」を解決。“オンコートコンディショニング”

長塚 最初は練習が無い日に診ていただきましたが1日がかりになってしまって。でも、有吉先生にかかるとまるでゴッドハンドのように皆良くなって(驚)。

有吉 ケガの改善が見られたので、次に「動きづくり」に力を注ぎました。

長塚 最初は、足に上手にのることから始めましたね。

有吉 強い球を受けることでつい後ろ足重心になってしまいます。本当はパワーポジションでしっかり蹴って打たないといけません。

長塚 フットワークもそう。皆ベタ足になってしまって。

有吉 動きづくりを行いたい。でも、子供達には学校もあるし時間がない。そこで考えたのが、〝オンコートコンディショニング〟でした。

長塚 元々あるウォームアップを有吉先生が改良されて。私の理想とする動きを聞いてくださり、メソッドに落とし込んでいただきました。

有吉 動きづくりを丁寧に行うことで、フットワークが良くなるだけではなく、テニスの技術も生かされます。

長塚 ちゃんとやる子は如実に成果が出ます。今年の春の選抜では女子U16、男子U12で1名ずつ全国大会に出場。男子はベスト8に。

有吉 U16の菜々花ちゃんは最初は突出した選手ではありませんでしたが、ここ半年でメキメキ成長して。

長塚 彼女を始め、プレー中に違和感を覚えるとセルコンで修正できる選手が増えてきています。

子供の未来を明るく照らすコンディショニングコーチ

有吉 長塚先生の深い理解があってこそです。指導者の方が同じ気持ちでないと子供達は混乱しますから。

長塚 コンディショニングがストレッチやラジオ体操のように、当たり前の運動として広がって欲しいです。学校の体育の体操で取り入れられることが一番ですね。

有吉 NCAのワークショップは、日本スポーツ協会公認の資格更新のための義務研修に定められました。徐々にですがNCAの認定資格を受けられる体育教師の方々も増えてきています。

長塚 コンディショニングを本当に体質化するには子供の頃から触れることが大切です。ウチのクラブの子は練習前に言わずとも指分けや足首まわしをするようになってきています。

塚 京子(ながつか・きょうこ)さん_ Ken’sテニススクールジュニアアカデミー校長。日本を代表するプレイヤーであった実績を生かし小中学生を指導。トップ選手を育成。

有吉 NCAには新たな目標が2つあります。1つはコンディショニングコーチの育成。時間に余裕が生まれる退官後の体育教師や、種目別の指導者が対象です。

長塚 私達と同じ想いを共有する指導者が増えますね。

有吉 2つ目は種目別でジュニアアスリートの指導を行うこと。子供達がいつか指導者になった時、整える大切さを伝えて欲しいのです。

長塚 同感です。Ken’sで育った子供達が結果を出しその実績をもってコンディショニングを指導に生かし てもらうことが理想。ケガで大切な才能を潰さない。その考えが当たり前になる時代をつくりたいですね。

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